蒼き魔女リヴィア 外伝 前編


「退屈ね……」
  主人のその言葉を聞いて、リヴィアは背筋が震えるのを感じた。もちろん恐怖などではない、その先に予定された快感を想像してのものである。
  数ヶ月前、圧倒的な力によって自分の身も心も支配し、主人となったイリーシャ。彼女の手ずから魔術や魔力の修練を指導されつつ、身に刻み込まれた肉悦は、その声を聞くだけでも思い返された。まして、暇を持て余したと彼女が呟いたということは、それすなわち自分を求めてくださるということ。
(っっ……んっ、あぁ……イリーシャ様、嬉しいです……っ)
  想像するだけで快感に陰唇が湿り、下腹部がキュンッと疼いてしまう。行為に及べば一昼夜は足腰が動かなくなるほど激しく嬲られ、色欲以外の感情が頭から抜け落ちてしまうほど気持ちよくさせられる――そんな女主人の性技巧を思い、頬を桃色に染めたリヴィアは手にしていた魔導書を閉じて机に置き、いそいそと立ち上がって振り返った。
「そ、それでしたら……イリーシャ様、ぜひあたしの身体をお使いになって、退屈を紛らわせてくださいませ……どうぞ、ご主人様のお気の向くままに」
  濃蒼色のブラウスに包まれた小柄な体躯、けれど自分の腕で抱くようにすると、その腕に豊満な乳房がプルンッと震えるように跳ねてのしかかる。数ヶ月前までは手の平に収まるような慎ましい胸元だったのに、イリーシャの調教によって、感度抜群で張りも保ったまま淫らな美巨乳に育て上げられた乳房は、リヴィアの自慢の性感帯だった。
  それだけではない。以前と変わらぬ黒のミニスカートに覆われる、ツンと突きだした可愛らしいヒップも。その裾からスラリと伸びてニーソックスに包まれている、男好みの肉づきよい柔らかな太ももも。それらだって負けず劣らず敏感に躾けられ、女主人のために毎日磨きをかけている、彼女のための肉玩具である。
「……そうねぇ……どうしようかしら……」
  気だるそうに長い髪の毛を掻き上げ、主人である大魔女がチラリと視線を向けた。その瞳に見つめられただけで、頬が熱く火照ってくる。
  身体が震えると、少し長くなった蒼髪のポニーテールが、サラサラと衣擦れに似た音を立てた。細く可憐な唇は常に瑞々しさを見せつけ、グロスを引かれたような輝きを放っている。自信と力強さを湛えた琥珀色の瞳は、淫蕩と心酔に染まって潤んでいた。
(どうぞ、どのような奉仕でも悦んでさせていただきます……あたしのご主人様!)
  跪けと言われれば、そのまま彼女のヒールを丁寧に舌でお掃除したいくらい。指をしゃぶれと言われれば、舐めながら絶頂することは免れないだろう。
  調教を受ける前は、王国の敵だと敵視し、あろうことか討伐してやろうなどと軽視していたことが、いまとなっては恥ずかしくてたまらない。それほどに、いまのリヴィアは彼女のことを尊敬し、崇拝し、彼女に尽くすことが生きがいだとまで思っていた。
「うふふ……そうねぇ、それも面白いのだけど――」
  手にしていた小冊子を、座っていたソファに投げだして立ち上がったイリーシャが、ドレスのスリットから魅惑的な太ももを覗かせながら歩み寄ってくる。コツンッ、コツッとヒールの音が高く響くにつれ、魔少女は期待に鼓動を高鳴らせ、生唾を飲み下す。
  目の前に迫った魔女の切れ長に瞳に顔を覗きこまれると、一瞬にして耳まで真っ赤に染め上げられてしまった。サテン生地のロンググローブをつけた彼女の手が伸び、あごを指で持ち上げられる。自然と上向いた唇を心持ち突きだし、瞳を閉じてしまうのは、もはや条件反射というものだろう。
(仕方ないの……だってあたしはもう、イリーシャ様のペットなんだから……っ!)
  それは悔しそうにではなく、心からの喜悦を孕んだ心の声だった。
  だが、そうして思わず唇を緩めてしまったところで、イリーシャはそんなリヴィアの反応に気づいたようにクスッと笑いを響かせる。唇をいやらしく歪めると、口ではなく耳元に顔を寄せて、熱くささやきかけた。
「――いまはあなたが、他人に弄られてよがり狂う姿を見たいわね」
「ぇ……イリーシャ、様……?」
  一瞬、言われた意味が理解できずにきょとんと瞳を丸くしてしまう。だが少し置いて、投げかけられた言葉の意味を理解し、リヴィアはビクンッと全身を硬直させて、想像した恥辱の光景に耳まで赤く染め上げる。
「そ――そんなっっ!  あたしの身も心もイリーシャ様のものです!  それなのに、ほかの人間になんてっ……」
「大勢の男に身を捧げ、犯されてきなさい――二度言うつもりはないわよ」
「……っっ!」
  耐えられない、と続けようとしたセリフは魔女の冷たい言葉の前に溶け消えていった。気がつくと、イリーシャの顔は真正面から自分を見据えている。その視線は、いつか見た彼女の冷たい眼差しとまったく同じものだった。
「あ……ぅ、あぁ……」
  主人の本心はまるでわからない、けれど視線が語る言葉ははっきりと聞こえてくる。わがままを言う犬など必要ない、捨てられたければいつでもそうしてあげる――と。
(っっ……無理に決まってるじゃない!  それこそ耐えられないわっ……)
  そう思ったリヴィアの唇からは、自然と言葉が溢れてきた。
「わ……わかりました、イリーシャ様……忠実なペットのリヴィアは、これから男たちの性玩具となって犯されてきます……心ゆくまでご覧になってくださいませ……ぁっ」
  跪いてそう告げた瞬間、魔女の両手が頬を挟み込み、顔が近づいてきた。小さく声をもらしたのも束の間、その唇は主人の唇によって塞がれる。
「んむぅぅ……ちゅぶっ、れろぉぉぉ……じゅるるっ、んっ……ふふふ、いいコね、リヴィア……期待しているわよ」
「んっ、ふぁ……は、はひ、イリーシャ様……」
  その寵愛を受けただけで、ショーツがビショビショになるほど感じてしまった。
                                      ◇
  イリーシャの転移魔法陣によって運ばれたのは、塔からかなり離れた位置にある、それなりに発展した街だった。以前に訪れ、犬に純潔を捧げたあの街よりは大きく、けれど王都よりは狭い。そんな感想を抱いて、リヴィアは日の落ちかけた街の大通りを歩く。
「……見たところ、あまりそういった街には見えないですけど……その、ここは……そういう街、なんですよね……イリーシャ様?」
  周囲に人はいないが、リヴィアがそう問いかけると頭の中にすぐさま、答えが返る。
『ええ、そうよ。その街は周辺都市じゃかなり有名な、歓楽街――言ってしまえば、売春で栄えた街なの。さすがに大通りでおおっぴらに客は取らないわ、だけど……』
  意味ありげに笑いを含ませた魔女の言葉に従い、一本道を折れて、入り組んだ細い路地の奥へと歩みを進めてゆく。夏が近い季節ということもあり、路地裏の淀んだ空気はかなり温かく、歩いているだけで肌を撫でられているような心地だった。
『ほぉら、見えてきた……うふふ、素敵な光景じゃない。小汚い男たちが、路地に並んだ女たちを舐めるように見つめ、品定めし……その身体と行為に、値付けをしているわ』
  言われて周囲に視線を送ると、肌の露出を激しくしたはしたない姿で、女たちが道の端でさりげないセックスアピールを披露している。道の真ん中を男たちが歩き、左右の女たちをじっくりと見ていた。その光景を見てリヴィアはすぐさま嫌悪を覚えたが――。
『うふふ、そう怖い顔をしないの、リヴィア……あなたも直に、この中に混ざって男を漁るのだから……ほら、そろそろマントを脱ぎなさいな』
「っっ……は、はい、仰せのままに……」
  昔の自分が着用していた白のマントではなく、イリーシャから賜った暗闇で薄く発光する黒のマントを、シュルリと音立てて脱ぎ去る。身体の全面を覆うように着ていたそれを脱ぐと、熱い空気に晒されたのは、商売女たちに勝るとも劣らぬ、淫らではしたない出で立ちだった。
(んっ、くふぅっ……あぁ、こんな、格好で……んっ……)
  着ている服のデザインは、塔でのものとさほど変わらない。しかしよくよく見れば、その生地はとんでもなく薄い絹でできており、しかも下着を外しているせいで、リヴィアの白く柔らかな肌は丸見えも同然だ。豊満な乳房も、抱くと手折れてしまいそうなくらい締まった細腰も、年不相応なほどに熟れて肉のついた桃尻も、すべてが紫のブラウスや黒のスカートの向こうから、扇情的な艶を見せて男たちを魅惑する。
「おい、あれ……」「……だなぁ、へへへ」
  周囲を歩く男たちが、声こそかけないもののニヤニヤと下卑た笑みを浮かべて、こちらの肢体を眺めているのがわかる。張りつくようなベタつく視線を感じ、嫌悪とおぞましさに背筋がゾクッと震えさせられた。
(っ……本当に、人間のクズね、こいつらって……)
  無意識に胸元を腕で庇いながら、リヴィアは周囲の女たちから少し離れて、壁に寄りかかって立つ。周囲の空気は暑いのに、ショーツのない無毛の恥唇はスースーと風に晒されてゾクリと冷え、感じたことのない心細さを味わわされる。
(くっ……うぅんっ、み……見られて、るっ……あたしの、身体っ……)
  いくら腕を盾にしたとて、カバーできる範囲は限られており、肌を晒すことは免れない。まだ完全に日は落ちていないというのに、仕事がないのかその道をうろついている男たちは、通り過ぎながら、あるいは立ち止まって露骨に視線をぶつけてくる。
  腕に押し潰された乳丘を見て生唾を飲み、スラリと伸びた脚線美を見てニヤける――そんな男たちの下劣な欲情が不快でたまらないのに、牡の味を覚えてしまった魔少女の肉体は、膣肉の隅々にまで刻まれた快感を思いだし、ジクジクと鈍く疼きだしていた。
「はぁっ、あっ、んんぅぅ……ふぁっ、はぁぁ……」
  腕に隠れた乳房の中央で、ムクムクと乳首が屹立してゆく。それを無理に抑えようとすると薄布が擦れ、切ない痺れが胸全体に広がってしまう。その痺れはすぐさま消えることはなく、ゆっくりと身体に染み込み、肉体の芯に熱を孕ませる。淫らな熱は下腹部に満ち、子宮の奥に波を広げ、淫らな唇をはしたなく緩ませていった。
(ひっ……んっ、やぁぁ……あたしの、身体……イリーシャ様がお相手じゃないのに、こんなに浅ましくっ……んっ、ぬ、濡れて、りゅ……ふぅぅんっ!)
  蜂蜜よりもさらに濃厚な、トロトロの粘液が媚肉の奥から染み溢れ、陰唇をぐっしょりと濡らし、太ももにテカりを塗りつけてくる。その感触にさえ官能を覚えながら、それでも男たちの目にそれを晒したくないとばかりに、なんとか表情を引き締める。
  しかし美少女の牝の臭いを嗅ぎつけた男たちのうち一人が、ついに意を決してこちらに近づき、壁に手をついて話しかけてきた。
「おい、お嬢ちゃんよぉ……ここにいるってこた、あんたも売ってんだよなぁ?」
「っっ……そ、そうよっ……だったらなに、悪いのっ?」
  無精ヒゲを散らし、だらしない服装で酒臭い息を吐く男の視線から、避けるように身を捩る。だが男は肉体労働者なのだろう、ボロボロのシャツの下に覗く日焼けした肌と逞しい筋肉に牡を感じさせられ、思わず視線を吸いつかせ、ゴクリと唾を飲んでしまう。
(い、や……お、落ち着きなさい、リヴィア……あたしには、イリーシャ様が……)
「いやぁ、悪かねぇよ。むしろ大歓迎だぜ、若くてエロい女はな……へへへ」
  透ける衣装の奥を見つめられ、たまらなく身体が火照る。だが、こんな下劣な男にそんな姿や様子を見せることは、気丈なリヴィアにとって我慢ならない。キュッと唇を引き締めて拳を固め、快感を押し殺すように声を張って、男に問う。
「それで、どうするのよっ……買うなら、さっさと決めてよね!」
「そうさなぁ、嬢ちゃんの値段次第だが……で、いくらなんだい?」
  問いの意味を計りかね、けれどすぐに把握する。自分の身体にどれほどの価値があるのか、この熟れ育った乳房や尻肉、そしてキメ細やかな肌をいくらの対価で好き放題にできるのか――それを、自分で決めろということだ。
(で、でも……どうしたら……)
  相場のわからないリヴィアに、自分の肢体と釣り合う値段を決めることは難しい。それにはっきり言えば、こんな男相手には金貨千枚でもお断りだ。しかしそれでは、主人の命令を果たすことができない――逡巡する魔少女の頭の中に、イリーシャの声が響く。
『条件次第では、銅貨一枚でお買い求めいただけます……そう言うのよ、リヴィア』
「っっ……そん、なっ……」
  非情なる主人の言葉にビクンッと肩が跳ねるが、主人は冷酷な言葉を止めない。
『なにを勘違いしているの、変態リヴィア……あなたはどうしようもない淫乱で、一日中チンポのことばかり考えている牝犬でしょう?  そんな格安娼婦にも劣るあなたに、高値などつくはずがないの……身の程をわきまえて、大勢の男に犯されてきなさい』
  辛辣で容赦ない言葉が耳に響く。けれど真実を突くそのセリフを聞いて、身体は否応もなく反応してしまう。
「ふぁっ、あっ……んぅっ、は、はぁ……いぃ……んっ、くふっ……うぅんっ……」
  飼い主に蔑まれ、自分が人として最下層に位置する彼女の所有物だと思い知らされ、震えるほどの快感に身体が昂ぶってゆく。開き切った膣肉の奥からは、早くもピュブッ……と淫らな汁が溢れ、手の平で隠すように押さえていたスカートには、黒々と大きな染みが広がっていた。
『ふふ……わかったのかしら。いいコね、リヴィア……それじゃ、こう言うのよ?』
「ふぁ、はひっ、ひぃぃ……んぁっ、はぁぁ……」
  イリーシャの言葉一つ一つが魔力を秘めているように、リヴィアは心の奥まで掌握され、コクリと頷いて応える。だがそれは、彼女自身の意思でもあった。
(い、いりー、ひゃ……っ、イリーシャ様のぉ……た、ため、にぃ……んっ)
  下腹部を突き抜ける快感に瞳が蕩け、両手を淫らな魔少女服から離す。晒された薄布越しの豊乳と、ドロドロに濡れた股間の惨状を見た男が囃すように口笛を吹くのを聞いて、唇に淫猥な笑みを浮かべると、リヴィアは男と目を合わせて告げる。
「んっ……じょ、条件次第では、銅貨一枚でいいわ……」
「なっっ……マ、マジかっ……いや、まずは条件とやらを聞いてからだ……」
  男の態度から、その対価が相場の数十分の一の値段なのだと、容易に想像がついた。だがそれでも構わないと、リヴィアはさらに誘うような笑みを浮かべ、続ける。
「ええ、もちろん……条件の一つは、こ……ここで……この路地で、そのまま抱いてくれること……それ、と……っっ」
  相手の表情が、一瞬だけ驚きの色に染まったものの、すぐさま下卑た笑みに塗り替えられる。いまの条件は承諾したということだ、彼はすでに銅貨を取りだしていた。
「も、もう、一つはぁ……んぁっ、ちょ、ちょっと、まだっ……」
「へへっ、いいだろうが……おら、もう一個はなんだよ?」
  ゴツゴツとした手の感触が服の上から乳房を揉みしだき、遠慮もなく形をひしゃげさせられる。弾けんばかりに勃起した乳首は手の平でコリコリと押し捏ねられて、乳奥に痺れるような快感をもたらし、白柔肉を弄られる快感に膝が自然と震えてしまった。
「もう、ひっ、一つは……あんっ、あっ……ほ、ほかの買い手がついた、らぁ……ひぁっ、んぅっ……い、一緒に、することぉっっ……んあぁぁっっ!」
「――商談成立だな。おら、銅貨だよっ!」
  地面に落ちたマントの上に、チャリンと銅貨が投げ落とされる。それと同時に乳首が潰れるほどに強く摘まれ、そのまま肉丘を軋ませるように引っ張られた。ゾクゥッと痛烈な肉悦の波が背中に突き抜け、脱力した下半身が崩れそうになる。
「くひっ、はっ……ひゃぅぅっっ!?  いひっ、はっ……ふゃぁぁっ!」
  落ちかけた身体を支えるように、男の太ももが脚の間に捻じ込まれる。硬い膝で淫唇を押し潰され、這い上がる快感電流に目を眩ませながら、リヴィアはなす術もなく男に縋りつき、みっともなく甘えた喘ぎを迸らせる。
「おいおい、なんだこりゃあ?  もうズブ濡れじゃねぇか……あーあ、俺のズボンまでドロドロじゃだぜ、どう責任取ってくれるってんだ?」
「あぐっ、んぅぅぅっ……しぇ、しぇきに……って、んくぅっっ……ひゃうんんっ!」
  酒臭い息が鼻をついたと思ったら、男の生温かい舌が喉笛を舐め上げていた。ベタつく粘膜の感触には嫌悪感しかないのに、同時に乳房を柔らかく捏ねられると、胸元から迫る快感とすり替えられ、膣肉の奥がキュンッとわなないてしまう。
「んっ、ひゃぅ……やっ、やらぁ……ふ、服、はぁ……んぁうっっ!」
  抵抗するように男の手を押さえつけるが、弛緩した腕には力など入らず、簡単にブラウスがめくられてしまう。空気に晒しだされた乳房は、自重に引かれても美しいお椀形を崩すことはなく、胸の上ではしたなく揺れ躍る。その先端にはプックリと膨らんだ桜色の乳突起が上を向き、男の愛撫をいまかいまかと待ち望んでいるようにヒクついていた。
(あぁぁっ……なん、でよぉっ……こんな、か……感じ、ちゃうの……っ)
  下賤な男に触られただけで、ここまで如実な反応を示す肉体が憎くてたまらない。けれど男の指が触れるか触れないかという距離で乳首の周囲を泳ぐと、自然と胸が突きだされ、敏感な性感帯への愛撫を求めてしまう。悔しさと羞恥にカァァッと頬を赤らめると、女の弱みを握った優越感にニヤつく男が、こちらを眺めてくる。
「へっ、さすが銅貨一枚のお高い売女だ……感じやすくてエロい乳首だなぁ?」
「っっ……う、うる、さっ……ひぃぃんっっ!?  あひゅっ、くあぁぁっっ!」
  口を開くと同時に両乳首が摘まれ、コリコリと転がされながら、互い違いに引かれたり押し込まれたりと、容赦ない獣欲に晒される。それでも浅ましい肉体は男の指の中でジンと重い疼きを発して痺れ、男の膝に跨るように、下半身がガクッと崩れ落ちた。
(ふぁっ、ひゃっ……ら、めへぇぇ……た、立たないと……ぉうんんっっ!)
  男の脚が持ち上がり、ビチャビチャになったズボンで肉襞が擦られる。粘膜を伝う刺激が、まるで挿入の快感のように膣肉の隅々まで染み広がり、肉悦に押された筋肉がキュッと締まって、思わず脚に力が入ってゆく。
「んぁふっ、はっ、あぁぁぁ……ふぃっ、んにゃぁぁ……」
  腕や胸板と同じくらい鍛えられた、硬い筋肉を股間に感じ、伝わる牡の気配で淫唇はさらにトロトロと緩んでしまう。擦られるたびにビュプッ、グチュゥゥゥ……と蜜液を溢れさせた淫肉が押し潰れ、淫らな粘液音を響かせていた。
「おー、すげぇすげぇ、大したもんだぜ。見ろよこれ……完璧オモラシ状態じゃねぇか。マン汁ダラダラで、クリも勃起しまくりときた!」
「いひっ――ひああぁぁぁっっっ!  ひゃらっ、クリッ……やはぁぁぁっっ!」
  包皮を軽々と剥き上げ、小指の先ほどに肥大化した、イリーシャがとても気に入ってくれている肉真珠が、男の指にパチンッと痛烈に弾かれる。ともすれば痛みまで感じそうな強い刺激にも、淫らな肉体は浅ましく反応し、収縮した膣襞からプチュゥッと蜜飛沫を飛ばして悦びを訴えた。
(んあぁぁぁっっ!  だめっ、だめだめだめぇぇっっ……こんなっ、これっ……)
  主人の言葉で散々に昂ぶらされた肉体は、もはやどんな性刺激でも砂糖菓子のように蕩かして舐めしゃぶり、身体の奥に溜め込んでしまう。ジンジンと疼く肉芽から子宮奥まで一気に快楽が突き抜け、男の服にしがみついて立たなければならないのが、悔しくてたまらない。そんな自分の仕草を見て、男が耳元で下品な笑い声を響かせた。
「ふっへへへ、もう準備は万端だな……さて、そろそろ味わわせてもらおうかねぇ?  銅貨一枚って大金で売ってる、ビッチ小娘の濡れマ○コの味をよぉ?」
(こ、こい、つっ……んくぅぅっっ、んぁっ、ひっ……ひぅぅぅっ……)
  事あるごとに対価の値を口にされ、自分がいかに格安の娼婦かを思い知らせてくる。屈辱と羞恥に全身が震え、絶対に喘いだりするものかと唇を引き締める。けれど――。
「んっ……ぐっ、くぅぅぅ……つぁっっ!?  ふぁっ、はっ……ひきゅぅぅぅっっ!」
  男の肉棒が先端で淫襞を掻き分けただけで、決意は一瞬にして霧散し、通りに響きわたるような大声で嬌声を上げてしまう。せめて表情だけは変えまいと意識しても、太い肉傘に膣肉を押し開かれ、粘液を絡めながらの侵入を許してしまうと、もうどうにもならなかった。
「んはっ、ひゃっ……くっ、あぁぁぁ……んぁっ、ふぁっ、はぁぁんっっ……」
「おーおー、甘えた声だしやがって……なかなか具合のいいマ○コじゃねぇか」
  イリーシャやキディほどではもちろんあり得ないが、それでも平均以上はあると思われる剛直がジュプジュプと肉襞をこじ開けてゆく。疼きっぱなしだった蕩肉を熱く硬い感触に焦がされ、頭の奥が淫欲の火花で弾け飛び、筋肉が壊れてしまったかと錯覚するほどに激しく、腰が跳ね躍ってしまう。
(なんでっ……こんな、ヤツのでぇっ……ぃうっ、はっ、んくぁぁぁっ……)
  立位での挿入は、亀頭の先が膣底壁をグイグイと押し込んで、甘刺激が粘膜を伝って腸肉にまで響いてくる。蜜壺を抉られると同時に双穴を犯される快楽に下半身が包まれ、寒気にも似た感覚が会陰を伝い、背筋をゆったりと這い上がるのを抑えることができなかった。
「あぅぅっ……んくふぅぅぅぅっっ!  だ、めぇっ……んくっ、あぁぁっ、イクぅぅぅっっ!  あっ、んぁっ……あっはぁぁぁっっっ!」
  男の肉棒が子宮口に達し、その衝撃が脳天に突き抜けた瞬間、背筋に広がる甘痺れが弾け飛ぶ。乳房の先端がピンとそそり勃って、乳球全体が敏感になり、空気に触れているだけでさらなる絶頂を迎えそうなほど、オルガスムスの影響が全身を包んでいた。
「なんだなんだ、もうイッちまったのかぁ?  へっへ、こいつは上物だぜ……」
「うっ、うるひゃっ、ひぃぃんっっ!?  う、ごく、にゃっ……はひゅっ、ふぁっ……」
  男の服に縋りつき、首に腕を回して抱きついてしまい、ビクビクンッと強烈に跳ね震える身体を擦りつけ、よがり声をもらす自分が本気で憎かった。
  だが男が緩々と腰を振るだけで、膣肉奥からドプゥゥゥ……と溢れる大量の蜜液を肉棒が撹拌し、チュブチュブと牝肉を捏ね回して、新たな快感を注ぎ込んでくる。そうなると肉体は切なさに疼きっぱなしで、他人の温もりを求め抱擁が強くなってしまう。
「はぐぅぅぅっっ!  んぁっ、だ、め……イクッ、イクイクッ……あぁぁぁっっ!」
  絶頂に痺れていた四肢がもう一度、激しい痙攣を見せてヒクつく姿を晒させられる。片脚の太ももを男の手で抱えられ、それと自分の両腕を身体の支えにし、上半身を弓形に反らせて迎える絶頂は、被虐という名の麻薬的快感をもたらしていた。
「んぁっ、はっ、はぁぁぁ……うぅっ、ふっ……んぁっ、あはぁぁぁ……」
  膣肉が収縮し、男の肉棒の形と太さと昂ぶりを、牝壺の中で嫌というほどはっきり感じ取る。明らかにイリーシャたちのペニスより小さいのに、それでも貪欲に悦んでしまうことが、彼女たちへの裏切りに思え、胸の奥がキュッと切なく締めつけられた。
(んっ、も……申し訳、ありませんっ……イ、イリーシャ様ぁ……んぅっっ!)
  魔女自身が望んだことを、所有物として忠実にこなしただけなのだが、ペットとしての感情はまた別物だ。だが悲しみに暮れる暇もなく、男の行為は続けられる。
「おい嬢ちゃんよ、手前ぇだけ満足してんじゃねぇぞ。こっちはこれからだ」
「――っっ、う、わ、わかって、る……ふぅぅんっっ!」


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